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<<   作成日時 : 2008/12/05 14:00   >>

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頭皮と頭髪に シャンプーをCHANGE スカルプD

2008-11-18 04:15:25Electronic Journal から



●「災害資本主義というものがある」(EJ第2453号)

 ナオミ・クラインというカナダ人の女性ジャーナリストがいます。1970年生まれなので現在38歳という若さですが、2000年に次の本を刊行して、世界的に名前を知られる存在になったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
        ――ナオミ・クライン著/松島聖子訳
   『ブランドなんか、いらない/搾取で巨大化する
            大企業の非情』/はまの出版
―――――――――――――――――――――――――――――

 彼女はこの本で、標的としてナイキ、シェル、ギャップ、スターバックスなどの有名企業を選んで、まず、そのマーケティングとしてのブランド拡大戦略に対して、次に企業の進める合併戦略によって消費者が選択肢を奪われたことに対して、最後に外部委託、パート労働などの雇用形態にシフトする企業に仕事が奪われたことに対して、痛烈な攻撃を加えているのです。その結果、彼女はグローバリゼーション反対運動の旗手として高い評価を受けることになります。彼女の批判があまりにも辛辣であったため、ナイキ社では正式なコメントまで出す騒ぎになったほどです。 そのナオミ・クラインが、2007年に上梓した本が今大きな話題を呼んでいるのです。なぜなら、この本で彼女が標的として選んでいるのがノーベル賞経済学者であるミルトン・フリードマンであったからです。なお、この本の日本語訳は本日現在、まだ確認されていないのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 『ザ・ショック・ドクトリン/災害資本主義の勃興』
 The Shock Doctrine:The Rise of Disaster of Capitalism
―――――――――――――――――――――――――――――
 注目すべきは、この本の表題にある「災害資本主義」という言葉です。最近兵庫県の井戸知事の「関東大震災が起きたらチャンス」の発言と不思議に似ているのですが、ナオミ・クラインによると、何かの大災害が起こったとき――場合によってはわざと災害を起こしたとき――そのチャンスを逃さず、一挙にラジカルな改革を推し進めることを「災害資本主義」というのです。 災害が起きて国民が平常心を欠いているときに、平時では実現困難な改革――たとえば、公共の財産を民間資本に売り飛ばし、気が付いたときは後戻りできないように恒久化してしまう――こ
のかなり乱暴なやり方をナオミ・クラインは「災害資本主義」と名付けたのです。
 その格好の事例があります。2005年にニューオーリンズを襲ったハリケーンによって学校が破壊されたとき、フリードマンはブッシュ政権に対し次の提言をしたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 この災害を教育制度を改革する好機としてとらえ、このさい公
 共の学校の復興をやめて、私立の教育機関をつくるべきである
                ――ミルトン・フリードマン
―――――――――――――――――――――――――――――
 この主張をどこかで聞いたことはありませんか。そう、「官から民へ」の発想そのものです。ブッシュ政権はフリードマンの政策提言にどのように対応したのでしょうか。 ブッシュ政権は、フリードマンの提言を直ちに受け入れ、公立
学校を私立学校にするための資金を数千万ドル投入して実行したのです。ブッシュ政権というのはこういう政権だったのです。 その結果、123校あった公立学校はたったの4校に減らされそれとは逆に私立学校は7校から31校になり、4700人の教師が解雇されたのです。これがフリードマン主義です。 ミルトン・フリードマンとはどういう学者なのでしょうか。 ミルトン・フリードマンは、「シカゴ学派」と呼ばれる経済学を広めたことによって知られる経済学者です。フリードマンは、最も急進的な自由市場主義者であるフリードリッヒ・ハイエクに師事して、経済学を学びます。 当時50年代は、ハーバード大学、イェール大学などの名門校では、ケインズ経済学が主流であったのです。その中にあってシカゴ大学はきわめて異色の存在だったといえます。 ジョン・ケネス・ガルブレイズ教授は、大恐慌の後に経済学について次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
  市場の凶暴性を和らげるのが、経済学の調整力である
―――――――――――――――――――――――――――――
 このガルブレイズの考え方がベースとなって、ニューディール政策や福祉国家が出てきたのです。健康保険や失業保険などの福祉制度がこれによって充実したのです。第2次世界大戦後において、米国経済を中心に世界経済は復興し、米国は世界一の繁栄を謳歌することになるのです。しかし、中産階級の爆発的成長は富裕層の富を侵食するという事態も起こったのです。 そのときシカゴ大学の経済学部は非ケインズ主義の独自の理論を持っていたのですが、もっぱら株式投資家の道具として機能したのです。富裕層の牙城であるウォール街は彼らに近づき、多額の資金供与を受けたり、多くの銀行家との付き合いもはじまったのです。かくして、シカゴ大学は、ケインズ主義に対抗する反革命の拠点となったのです。 しかし、50〜60年代はシカゴ学派は権力には近づくことはできなかったのです。しかし、やがて彼らにもチャンスは巡ってきたのです。フリードマンとかねてから親しいニクソンが大統領になったからです。 ニクソンはフリードマンの経済政策はよく知っていましたが、選挙には向かないと考えたのです。ここに自由市場政策と民社主義や平和との矛盾がはっきり出ていたのです。 しかし、ニクソン政権はフリードマンをはじめシカゴ学派を政権に迎え入れました。フリードマンはチャンス到来と思い、政策実現しようとします。   ――[円高・内需拡大策/11]

≪画像および関連情報≫
 ●フリードリヒ・ハイエクとは何者か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエクは、オースト
  リア生まれの経済学者、哲学者。オーストリア学派の代表的
  学者の一人であり、経済学、政治哲学、法哲学、さらに心理
  学にまで渡る多岐な業績を残したのです。20世紀を代表す
  るリバタリアリズム思想家。ノーベル経済学賞受賞。その思
  想は、後の英国のサッチャーや米国のレーガン、による新保
  守主義、新自由主義の精神的支柱となった。
                    ――ウィキペディア

画像
ナオミ・クライン


参考
新世界秩序をまとめています ミルトン・フリードマン


2008.9.6(その5)
森田実の言わねばならぬ【616】
平和・自立・調和の日本をつくるために[611]
から
【話題の本紹介】
NAOMI KLEIN,“THE SHOCK DOCTRINE ― THE RISE OF DISASTER CAPITALISM”(ナオミ・クライン著『ザ・ショック・ドクトリン――災害資本主義の勃興』)〈1〉――フリードマンに対する徹底批判の書
【まえがき1】本ホームページの読者から、海外で話題の本としてお知らせいただいた“THE SHOCK DOCTRINE”を紹介します。ナオミ・クライン著『ザ・ショック・ドクトリン』は2007年に出版され、2008年7月にニューヨークのピカドール社からペーパーバックで出版された。表紙に A NEWYORK BESTSELLER と記されている。本書は市場原理主義とこれを推進したフリードマンに対する徹底批判の書である。
【まえがき2】いつも世界を回っている旧友のKさんから聞いた話を本ホームページに紹介し、本書が欧米でよく読まれ大きな影響をもたらしていると述べたところ、Mさんほか数名の方から本書についての問い合わせをいただいた。そこで森田塾の講師で英語の達人である稲村公望教授(中央大学大学院客員教授)に相談したところ、同氏は本書をただちに入手し、700ページもの原書をほんの3、4日で読破し、その上、私のために翻訳してくれた。この世の中にはすごい人がいるものである。稲村教授の抜群の能力とくに英語力には感服した。稲村先生、ありがとうございました。以下、本書を私なりに要約する。

 2005年9月、ハリケーンでニューオリンズは大被害を被った。ミルトン・フリードマンは、大災害の3カ月後に、ウォールストリート・ジャーナル紙上で「ニューオリンズの学校が破壊されたのは悲劇であるが、教育制度をラジカルに改革する機会だ」と述べ、公共の学校の復興ではなく私立の教育機関(チャータースクール)をつくることを提案した。ブッシュ政権はこの提案を受けて、学校を私立にするために数千万ドルの資金を投入した。チャータースクールはアメリカを二極化している。公民権運動の成果は無にされた。 フリードマンは、政府は警察と兵士を供給すれば十分で、無料の教育の提供は市場に対する政府の過剰な介入である、との考えに立っていた。この結果125あった公立学校は4になり、7つあった私立学校は31になった。4700人の教師が解雇された。
 著者(ナオミ・クライン)は、このような大災害などの危機に際し、市場の機会と捉えて、「公共」を「私」に置き換える手法を“DISASTER CAPITALISM”(災害資本主義)と名づけた。
 フリードマン派の手法は、大きな危機が来て、多くの市民が放心状態になるときに、間髪を入れずに公共財産を民間の資本に売り渡した上、制度を後戻りできないように恒久化してしまうのである。人々がショックに陥って頭が空白になったときを狙って、人々をマインドコントロールしてしまうやり方である。(つづく) 

NAOMI KLEIN,“THE SHOCK DOCTRINE ― THE RISE OF DISASTER CAPITALISM”(ナオミ・クライン著『ザ・ショック・ドクトリン――災害資本主義の勃興』)

The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism
Picador USA
Naomi Klein


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